【インプレ】クラウン放談[TOYOTA CROWN impression]

3月末に納車された220系クラウンもすでに1万キロ超え。旦那さまから、感想をもらいました。


クラウンは、私に快適な移動空間を与えてくれています。

燃費は平均18km/l、さすがTHS-Ⅱ、この車1.8t近くある車ということを考えると非常に優秀です。一回の給油でおよそ1,000キロ走ってくれます。

特筆すべきはハンドリング

ピッチングとロールの制御

段差の乗り越え、うねりのある道でみられるピッチングが少ないのが素晴らしい。

ピッチングとは前後方向の動きのこと。これが大きいと、視線が上下に移動して疲れます。上下動の収束については、サスペンション、特にショックアブソーバーの性能が顕著に現れ、高性能なショックアブソーバーを使っているクルマは上下動が1発で収まります。

RSグレードにはAVS(アダプティブバリアブルサスペンション)という電子制御ダンパーが装備されていて、ナビの情報や車速、加減速で生じる加速度などによってリアルタイムに減衰力を調整します。

つまり、以前のトヨタ車にあった「TEMS」のように柔らかい・硬いの固定ではなく、柔らかなモードでも状況に応じて可変するというシステムで、車の状況に応じてフレキシブルに対応できる優秀なシステムです。

AVSの応答速度を改善

減衰力の調整は9段階で、サスペンション上部のアクチュエーターで制御しています。(220系ではこのアクチュエーターの速度を高めて、更にフレキシブルに調整可能となりました)

AVSを制御するセンサー等

  • 加速度センサー     :車体の上下方向の動き(揺れ)を検知
  • ヨーレートセンサー   :車体の水平方向の動きを検知
  • ステアリングセンサー  :操舵量、操舵方向を検知
  • スピードセンサー    :車速を検知
  • パワーセンサー     :駆動力を検知する。
  • ブレーキセンサー    :制動力を検知する。
  • プリクラッシュシステム :衝突に備える必要があるか
  • ドライブモードセレクター:SPORT S+、Normal、Confort

AVSの制御項目

  • 車速感応制御      :車速に応じた減衰力設定により、低速乗り心地と高速安定性の両立
  • アンチダイブ制御    :ブレーキ時の前のめりを抑制
  • アンチスクワット制御  :加速時の尻沈みを抑制
  • ロール制御       :コーナー時のロール姿勢安定化
  • ゴツゴツ感応制御    :荒れた路面でのゴツゴツ抑制

一番柔らかいコンフォートモードでも、コーナーではロールを抑え、加減速時にはダンパーを固くして姿勢を安定させます。コンフォートモードは一番のお気に入りで「乗り心地がすごくいいが、コーナーではキリッとする」という、ちょっと不思議な感覚。試乗される方はまず、コンフォートモードがオススメです。

NAVI-AI・AVS

ナビの地図情報から前方のコーナーの大きさを判断し、予めショックアブソーバーの減衰力を最適化してくれる機能。200系では、さらに学習機能も付いていて、高速道路を走った際に路面の凹凸情報を記録し、次に走る際にはその情報を元に減衰力を適正化することで、乗り心地を高めてくれる機能までありました(現在、この機能はありません)。

一番柔らかなコンフォートモードでも、コーナーである程度しっかりとロールを制御してくれるのは、この機能が寄与しているのでしょう。

減衰力調整のダンパーは数多くありますが、車両本体が統合的に制御するのはさすが純正(KYB製)といったところです。

轍でも安定

轍にハンドルが取られないというのもある意味すごいと言えます。インプレッサSTi(GDB-C)に乗っていたときはハンドルが大きく取られてストレスが貯まり、とても疲れた記憶があります。轍がある道路も、ハンドルに軽く手を添えておくだけで楽に運転することができます。

フラットライドな乗り心地

クラウンの素晴らしいところは視線移動が少なく、不快な上下動がないので、運転が疲れないということが挙げられます。

前述のAVSは視線の移動の極小化にも寄与しています。

さらに、サスペンションジオメトリーの最適化が図られました。これは、新しいプラットフォームが大きく寄与していて、設計の自由度が上がっていることが関係しています。

TNGA(Toyota New Global Architecture)、クラウンはGA-L(ナロー)というタイプで、レクサスのLSやLCで採用されているものをクラウンに合わせて幅を狭めたもの。フロントサスペンションが固定されている部分はサスペンションタワーと呼ばれ、これをアルミダイキャスト製にすることで剛性を高くしていますし、スポット溶接や構造部品の進歩なども、車の基本性能を飛躍的に高めています。

コーナリング中のロールが少なく、過渡特性も穏やか。これは前車200系と比べると顕著です。200系はロールが大きく、接地感も不足気味で、浮いている感があるというか、ふわふわと安定感に欠けるという印象でした。

どのシチュエーションでも4輪がしっかりと路面を捉えているのを感じることができます。210系まで乗っていた人が新型を運転したら、まず驚くと思います(他の国産車も)。ステアリングがピタッと決まり、極少転舵への反応が驚くほど正確です。今どれくらいタイヤが曲がっているのかが分かりづらかった以前のモデルに比べて、格段の進歩と言えます。

機能・質感

ウインカー・ワイパーレバーの操作性

プラスチッキーでカチャッカチャした安っぽい操作感から、クコっとしっとりした操作感に。一日に何度も使うところなので、この質感向上は嬉しい限りです。

ステアリング

やや小径になりました。握った感じはサラサラ系。自分的には好みですが、デザインがカローラスポーツなどと変わらないなどの否定的なコメントが多いようです。

ベンツもクラスを超えて同じデザインを採用していますし、共用化は理解できます。ただ、ホーンボタン下の部分のプラスチック感がいやで、カーボン調のフィルムを貼っています。

難点はパドルシフトの質感と操作感。普段殆ど使わないのですが、プラスチックならではの安っぽい感触と、パドルを引いたときの「重めで引っかかる感じがある操作感と音」が残念です。操作感も音も改善の余地があると思われます。まあ、スポーツカーではありませんから、あくまでも雰囲気を楽しむアイテムという役割を担っているのでしょう。

カーボン製のパドルシフトエクステンションを狙っているのですが、220系クラウンに適合したものはありません。発売を心待ちにしています。

アダプティブハイビームシステム

自動でロー・ハイビームを切り替えてくれるシステムで、さらに、配光を自動調整してハイビーム中であっても対向車の領域だけ減光するといった複雑な動作をしてくれるすごいシステム。

オートハイビームは単純にローとハイを切り替えるだけなのですが、このシステムによる配光の切り替えはスムーズで違和感がありません。

真紅の針

深い赤色の細い針が美しい。調べてみると、180系から200系だけが白色のようです。私は200系乗りだったので、初めてこのメーターを見たときには、美しさの進化に驚いたものです。

写真では朱色に見えますが、実際は、真っ赤です。

 

 

改善が必要な点

助手席座面の高さ

高級車の助手席は、あくまでも「助手」が座るところであって、大切な人は後席に、という考え方は分かります。ドライブに出かけるとき、妻は後席に乗ってもらいます。クラウンの後席の座り心地は抜群だそうで、体をすっぽりと包み込み、前席より静かなのだとか。

運転席はシートの上下を調整できるのですが、助手席にはありません。助手席に座ってみると、妙に落ち着かない。座面が高すぎるのです。高額な車なのだから、せめて調整できるようにするべきと考えます。

HUD(ヘッドアップディスプレイ)

フロントガラスに車速やその他の情報を表示するHUDが装備されています。視線を動かすことなく情報を見られるので安全面で大きな効果をもたらしてくれます。

HUDにはタコメーターも表示させることができ、これはエンジンの回転数を確認するための唯一の方法となります。パワーモニターも表示可能ですが、メーターパネル内にアナログ表示があるので、私はタコメーター表示派です。

一つ気になるのが、夜間、ガラスにHUDの文字だけがくっきりと表示されるのならば良いのですが、見やすくするために輝度を上げるとHUDユニット自体が発する余計な光が目立ちます(ユニットの長方形の枠がガラスに投影される)。

エンジンの振動

ハイブリッド車なので、出だしはモーターの高トルクを生かしたスムーズな発進ができます。しかし、少しアクセルを煽るとすぐにエンジンが始動して加速に勢いをつけてくれます。

気持ちよくスムーズに加速している最中に、エンジン始動による振動を感じます。4気筒エンジンですし、仕方のないことなのでしょうが「ほんのちょっとのガサツ感」が少しだけ残念です。

巡航時はウルトラスムーズ、静粛性も非常に高く、総じて満足度は高いです。


今日はここまで。

ご覧いただき、ありがとうございました。