身の回りで、これがなければ生活できない、という物は相当な数に及びます。
スマホ、PC、TV、クレジットカード、キャッシュカード、白物家電製品などなど…
私達が日常使っている製品の殆どに組み込まれているのが「フラッシュメモリ」なんです。
フラッシュメモリとは
半導体で作られ、電子の出し入れによってデータの書き込みや読み出しをする記憶媒体で、磁性を使う磁気テープやハードディスク、光を使うCDやDVDに比べて、データの入出力が格段に速いため、小型化・省電力化できる。
今や、自動車や家電、スマートフォン、デジタルカメラ、ノートパソコン、クレジットカードなど多種多様な物に搭載されており、老若男女、世界中のあらゆる人達が使っていると言っても過言ではない「すごい技術」(一般化された技術こそ歴史に残る)。
1970年代に登場した半導体メモリー「DRAM」は電源を切るとデータが消えるが、フラッシュメモリーはこの弱点を克服し、電源を切ってもデータを保持することが可能となった。
※ただし、DRAMの方がスピードは格段に速い。半導体メモリーの中で、フラッシュメモリは遅いメモリである。
その可能性に目を付けた米国の半導体メーカー「インテル」は、フラッシュメモリの最初の発表から3年後にフラッシュメモリー事業部を設置した。しかし、開発元の東芝は、この商品の将来性を見誤り、様々な判断ミスをすることとなる。
簡単にまとめると
- フラッシュメモリは2000年代の東芝の主力商品
- 東芝の 舛岡 富士雄 氏が1980年代に開発した(1994年に東北大教授に就任)
- 1991年に製品化された
- 電源を切っても内容を保持できる
- 安価に製造できる
- 90年代中頃からデジカメの普及により需要が急速に高まった
- 1992年から技術供与した韓国のサムスン電気にシェアを握られてしまう
- 現在では記憶装置のUSBメモリやSSDの主要構成部品として爆発的に普及している
詳しくはこちら
フラッシュメモリの開発秘話
全世界の人々が、その存在を意識せずに日常的に使う、それがもしなければ今の生活は成り立たないかもしれない技術を開発した人々の物語が下の動画です。
この動画、ものすごく感動しました。ぜひご覧ください。
フラッシュメモリの開発はわずか3人で始まり、社内では見向きもされず、日の目を見ない期間が長く続いたそうです。
これだけの偉業を達成した方々に対して、どのような対価が与えられたのか興味があります。
世界を変えた人たちですよ、こういう人たちにこそ大いなる尊敬と賞賛、そして対価を与えるべきだと思います。
日本は成果を生んだ技術者に対して、その扱いが低すぎるのではないでしょうか。(世界に先駆けて青色発光ダイオードを発明した方が訴訟を起こしたことがありましたね)
偉人は身近にいるかも知れない
開発グループのお一人、作井さんが45分10秒から…
駅の改札などでスマホを使っている人々を見ながらつぶやくシーンが印象的。当然、スマホにはフラッシュメモリが使われている。
「何がすごいかと言うと、みんなが持っているということですね」
「僕たちが開発したんだ、と言いたいですね」
と笑顔で話されます。
この方々がいなければ、フラッシュメモリという技術革新は遠い未来の出来事になったのかもしれません。
- メモリのデータ保持のために、常に通電の必要が生じ、バッテリー持続時間は短かったことでしょう。
- また、電源の必要から、記録媒体を小さくすることも困難だったでしょう。
- 現在のUSBメモリやSDカードの隆盛はなかったのかもしれません。
世の有り様を変えた偉人というのは、意外に身近におられるのかもしれませんね。
そう、あなたの周りにもいるかもしれませんよ。