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家出した猫が戻った!「猫 帰ってこい」のおまじない

家の猫が家出をしてしまった…

百人一首の句を使うおまじない

百人一首で遊んだことがある人ならば、聞いた事があるかもしれませんね。

立ち別れ いなばの山の みねにおふる


まつとし聞かば 今帰り来む

- 百人一首第16番 作:中納言行平 -

現代語訳:これでお別れです。でも因幡の国の山に生える松のように「ここでずっと待っているよ」とあなたが言うならばすぐにでも帰って来ましょう。(Wikipedia

という歌を使うおまじないになります。

この歌を使ったおまじないは、この歌の上の句である

立ち別れ いなばの山の みねにおふる

の部分を紙に書いて、普段エサを食べるときに使っているお皿の下に置きます

このおまじないで猫が帰ってきたら、上の句を書いた紙に残りの下の句を書いて燃やすという決まりです。

私はこの手のおまじないはあまり信じません。でも、このおまじないのお陰で奇跡が起きたのです。神憑り的な顛末は・・・


猫 逃走劇

[ 2月19日:逃走初日 ]

夕方、お食事の誘いがありました。行きつけの店でうまいつまみを食べようということに。しかし、その5分後に再び携帯が鳴りました。「猫がいなくなった、どうしよう」動揺しているのが声色で分かります。「とにかく、名前を呼んで探すしかない」と、自分も帰路を急ぎました。

家に帰ると嫁が顔面蒼白で待っていました。自分の不注意で猫がいなくなったことに責任を感じているようでした。すぐに懐中電灯を持ち、一緒に付近を捜索しました。「猫、猫、猫ーっ」家から50mほど行ったところで声に反応する鳴き声が聞こえました。

名前を連呼すると、それに応えて「ニャ~ゴ」という心細そうな声が聞こえました。懐中電灯で照らしてみると、雪の中のくぼみに座っていた猫が見えました。柵を乗り越え、近付いたところ、猫は興奮状態か、非常にシャイになっていたようで、一目散に逃げました。

すぐに追いかけたのですが、猫の素早さにはとうていかないません。付近を探したところ、家と家の間から鳴き声が聞こえました。懐中電灯で照らしてみると猫と見られる猫の目が光っています。呼んでも近付いて来ません。旦那を呼びに戻り、おやつを持ってもう一度その場所に行きました。やはり近づいてこないので、狭い間を雪で滑りながら猫に近づいて行きました。雪のくぼみにいたので、そうっと手を伸ばし、捕まえようとしたのですが、間一髪で逃げられてしまいました。

逃げた方向に向かって捜索を続けました。近くにある中学校のテニスコート付近の曲がり角にいる猫を見つけました。近づくも、また逃げられました。付近の民家の方に走り去ってしまいました。近づいても逃げられるので、今日は無理と判断し、帰宅したのでした。

3日ほどで腹を空かせて帰ってくるのでは、猫のDNAで「外で暮らしたい!」と思ったのでは、誰かに捕まってしまうのでは、喧嘩で怪我を負うのでは、といろいろな思いが交錯しました。落ち込んでいる嫁を責めるわけにもいかず、自分でできること、帰宅後と早朝の捜索を行うことを決めました。

[ 2月20日:逃走2日目 ]

朝、自宅から半径50mを目安に捜索をするも、猫は見つからず。帰宅後、同じように捜索するも見つかりません。昨日は鳴き声の反応があっただけに不安が増します。

[ 2月21日:逃走3日目 ]

 朝、自宅から半径50mを目安に捜索をするも、猫見つからず。帰宅後、同じように捜索するも見つかりません。夜、トイレに起きた時は、窓から猫を呼びます。どこかで、聞いていてくれと願って。仕事中も頭から離れず、写真を見ると思い出すのがつらい。瀕死の子猫を見つけて家に連れて帰り、哺乳瓶でミルクを与え、排泄の世話など、一から育てたんです。あれから1年半、我が家での存在は非常に大きいものになっていたのです。

[ 2月22日:逃走4日目 ]

 帰宅後、犬をつれて捜索するも、猫見つからず。エサを庭に撒きました。連日の氷点下は、身に応えるに違いありません。野良猫ならば、暖かい車の下にいるなどの知恵がありますが、完全室内飼いの猫にそれはないと思います。そのうち帰ってくるという楽観的な考えは、どんどん焦りに変わってきました。

[ 2月23日:逃走5日目 ] 軌跡がおきた日

早朝3時頃に起きて、猫探しのビラを作りました。近所にお願いに回るつもりです。もう必死です。

猫が戻ってくるおまじないを短冊に書きました。

立ち別れ いなばの山の みねにおふる

まつとし聞かば 今帰り来む

 上の句を短冊に書き、戻ってきた暁には下の句を書き加えて燃やすのです。

不思議な経験

 早朝4時40分、家を出て捜索に向かった。いつもは門を出て右方面から探すのだが、不思議と左方面へ足が向いた。

 曲がり角に、逃走初日に猫を見失った家がある。「猫、猫、猫ーっ」と呼ぶと、かすかに「みーっ」と声が聞こえた。門構えの奥には古い物置小屋があり、もしやと思い名前を呼び続けたが、鳴き声が聞こえるも姿が見えない。ふと上にある横柱を照らしてみると、なんと、そこに猫がいた。心細そうな顔をしていた猫は、私の顔を見るなり「ニャ~ゴ」と泣き続けた。横柱は手の届かない高さにあったため、手持ちのえさを見せて脇のブロック塀におびき出そうとした。しかし、車の音やライトに怯えて横柱へ戻るので、何度も繰り返した。

 20分ほど経った時、猫を無事抱きかかえることができた。体は軽く、そして冷たかった。何かの拍子で腕の中から飛び出さないように、両手でしっかりと抱いて、家へと急いだ。猫は腕の中で繰り返し鳴いていた。まるで、「ごめんなさい、もう家出なんかしないよ」と泣いているようだった。

 猫が飛び出さぬよう玄関を慎重に開けて家に入り、居間のふすまを開けた。嫁は寝ていた。「猫、見つけたぞ!、いたぞ!」嫁は飛び起き、信じられないという顔で猫を見た。(実はその時、なんてひどい冗談を言う人かと頭にきたそうである。)「猫、よかった!」嫁は猫を抱きかかえ、私も涙が止まらなかった。

救出直後の猫

ぐったりと、疲れ果てています

 奇跡です。神様は本当にいるのだと思いました。

 すぐに食事をさせました。相当に腹が空いていたのか、のどを詰まらせながらもガツガツとエサを食べました。体は相当冷えていて、ツメはボロボロ、飢えと連日の寒さ(氷点下)で相当危険な状態だったと思いました。やはり、勇んで飛び出したものの、外の様子に怯え、エサも取れず、隠れることしかできなかったようです。

 今回の件で、猫が外に出ないようこれまで以上に注意しなければならないことが分かりました。このような思いは二度としたくないと強く決意したエピソードでありました。

 あっ、そうそう、おまじないの紙に『まつとし聞かば 今帰り来む』を書き加えて燃やしたのは言うまでもありません!

猫は外出恐怖症に

その後、猫用の胴輪を買いまして、猫に装着、玄関まで連れて行ったら、なんと失禁!

爪を立てて、もう動かない、と意思表示。今回の逃走劇が相当に堪えたらしく、自分から外に出ようとすることはなくなりました。突発的に興奮してしまうこともあるでしょうから、玄関の開け閉めの際には、必ず猫を部屋に隔離するよう心がけています。

猫の行動範囲

今回のことで分かったこと、それは猫の行動範囲。失踪した猫を探す特番や、猫にカメラを付けてその行動範囲をマップ上で検証する番組を見ました。それで分かったのは、

  1. 猫の行動範囲は半径50mから100mくらい
  2. 土地勘のない(完全室内飼い)猫は、いなくなった場所からそう遠くには行けない

ということです。うちの猫も最後に見た場所からほとんど動いていなかった(怖くて動けない)ようです。もし、猫がいなくなって心配されている方におかれては、諦めずに近場を重点的に探すのが大切だと思います。

買ったばかりのチェキでおすましさんを撮りました