片目を失った子猫が生きていた 生命力に驚くとともにこれからも幸せな猫生を送るよう祈った

毎日の散歩で気になることが

2024年4月17日(水)の日が落ちた頃、白内障で目が見えなくなった老犬のなな(17才)をドッグスリングに入れて、いつもの散歩コースを歩いていました。この日はとても穏やかな陽気で風もなく、二人でとりとめもない話をしながら歩いていました。早歩きで20分ほどの行程ですが、実はいつも気になるポイントが有るのです。

時は昨年の夏のこと・・・

野良猫に餌を与えているお宅があるのですが、そのお宅の門のところを通りかかった時、福と同じ頃に生まれたのでしょうか、福と同じくらいの大きさの茶トラの子猫が佇んでいたのです。

近づいてみると、目のところがおかしい・・・なんと、左目がえぐられてなくなっていました。おそらく、鳥に襲われたのでしょう。あまり動くことなく、元気もありません。小さな声で鳴くばかりです。

残念ながら、この子猫を保護する余裕はなくその場を通り過ぎることに。

「どうか元気で生きてね」

それからというもの、散歩のたびにその子猫がまだ生きているのか気になっていました。目がえぐられるほどの怪我を負ったのであれば、きちんとした処置なしでは生きられないと思います。あれから8ヶ月ほどが経ち、一度も見かけないあの子猫はきっと亡くなったんだとばかり思っていました。

大怪我を負っても生きていた子猫

散歩の途中、例の場所に差し掛かった時、福と同じくらいの大きさの茶トラの猫がたたずんでいました。顔を見ると、左目のところが赤く凹んだ、あの子猫だったのです。

「あの子猫だ!大きくなってる!元気でいたんだ!」

体格もよく、栄養状態に問題はないように見えました。自然に涙が出てきました。よかった、本当によかった、生きていたんだ!心の底から喜びました。

家猫では20年も生きる猫がいる一方で野良猫の平均寿命は4年と言われます。それは、野生の環境がいかに厳しいのかを物語ってる訳で、この猫が生き延びているのは奇跡なのかもしれません。

もしかしたら、野良猫というのはこちらの勝手な思い込みで、この猫は飼い猫なのかもしれません。なにはともあれ、毎日気になっていたことが、良い方に進んでいたことがうれしい。

我が家の福を見て思います。兄弟の中で最も過酷な運命を与えられた子猫が、人間に救われ、温かな住まいと食べ物、愛情を注がれて生きる。人生(猫生)、何が待ち受けているのかは全く予想がつかないものだと。今日は「未来のことなんか分からない。その時その瞬間を大切に、希望を失わずに生きねば」と猫から教えられた、貴重な一日になりました。合掌