入院期間:5日間(月曜日から金曜日)
職場復帰:次週月曜日から通常勤務
手術
10時頃に奥様が来た。10時30分に着替え開始。タイツや手術用パンツ(ふんどし)などを装着、奥様は大笑い、他人には見せたくない格好である。
歩いて手術室へ向かう。最初の扉の前で奥様と別れ、次の扉が開くと中に結構スタッフがいるのに驚く。
左手の手術室へ入ると、昨日説明してくれた麻酔科の先生がいて、挨拶を交わす。ベットに座って横になるように促された。横になるとすぐにモニター用の電極がつけられ、左手にはライン確保のための血管探し。なかなか見つからないようで、女性の看護師さんが謝りながら針を刺す。2回目であたり。
マスクをかぶせられ、深呼吸をするように言われた。2度ほど深呼吸をしていたら、ちょっと冷たく甘い香りのガスが入ってきて、意識はなくなった。
目覚め
目が覚めたのは、おそらく手術室で、別のベットに移されたような記憶が・・・。
次に目が覚めたのがICUでおそらく14時頃、奥様が声をかけてくれ「胆石もあったって」。胆石発作なんぞあった日には救急車ものだから、やっぱり手術して正解。先生が「終わりました。細胞も良性でしたよ。」と声をかけてくれたのを覚えている。
麻酔科の先生も来て、何やら挿管困難症だったことを教えられた。次に全身麻酔をする際には、事前に担当医まで知らせること、だそうだ。挿管でもたもたしていたら、低酸素脳症で植物状態もあるわけだから、麻酔の先生に感謝である。
尿道にカテーテルを入れてあるのが分かり、ひりひりするのが最高に気持ち悪い。男は自らの意志で小便を絞りきることにこそ、男子の本懐があると納得。
寝返りなども多少大丈夫と言われるが、なにせ、右ひじには血圧測定のバンド、左手人差し指にはモニターにつながるセンサー、点滴用の管がつながれているので、体の下にたくさんのチューブがある。
挙げ句の果てに膝から下には血栓予防のためのフットポンプをはいているのだから、手に負えない。
顔には酸素マスクをつけられているのだが、これが最悪で、息苦しいと言ったらない。イメージとしては、酸素が供給されているのだから息苦しさなどはないのであろうと考えていたが、人が換気する量が問題で、鼻と口を覆うマスク内の容量では到底足りないので、息苦しいのだ。
鼻に直接入れるチューブは苦しくないらしいので、こちらにしてほしかった。
そして、最悪なことに枕をさせてもらえない。後から聞くと、気道を確保するためだそうだが、元々私は枕を高くして寝る方であり、枕がない状態の方が息が詰まる。腰も痛い。
鼻づまりしやすいこともあり、口で息をすると口が渇き不快。鼻づまりについて、事前に相談しなかったことを大いに後悔した。
眠りにつきそうになるとモニターが盛大に赤点滅をして警告音を鳴らす。奥様が「無呼吸状態だって」と教えてくれる。モニターに警告音を出されるのはものすごいストレスなので、警告されないようにこちらが気を遣って息をするものだから、寝られるはずがない。機械に気を遣わなければならないという心理状態は、やはり普通ではない。
16時頃には妻がICUを後にしたので、部屋には私一人。奥様には帰っても大丈夫だと言ったものの、ICUこそ家族にぎりぎりまでいてほしい場所であることを後で痛感することになる。