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クラウンが始動不能に!あって良かったあのアイテム

んっ!?エンジンが始動しない!

暑かった夏が終わり秋真っただ中の11月上旬

用事を済まそうとクラウンに乗り込み、いつものようにスタートボタンを押しました。

あれっ?エンジンがかからない!

メーター内には、「バッテリー電圧が低下していて、ハイブリッドシステムが起動しない」旨の警告が表示されています。

前々回の点検時に「そろそろ補器バッテリーの交換が必要ですね」とアドバイスをもらっていたのですが、その後の点検で補器バッテリーの電圧は正常とのことで、交換せずにいました。(過剰整備の問題が世間を騒がしていた時期でもある)

補器バッテリーとは

ハイブリッド車には「2種類のバッテリー」が搭載されています。

種類主な役割電圧・種類主な搭載位置
駆動用バッテリー(高電圧バッテリー)モーター走行や発電用数百V(例:200~350V)/ニッケル水素またはリチウムイオン後席下・トランク下など
補器バッテリー(12Vバッテリー)車両の電子機器・制御系の電源12V(鉛蓄電池またはAGMなど)エンジンルーム内やトランク内など

ハイブリッド車の「補器バッテリー」は、一般のガソリン車のバッテリーに相当します。

ただし、エンジン始動用ではなく、制御系を立ち上げるために使われるという点が大きく異なります。

主な役割

ハイブリッド車では補器バッテリーが次のような機能を担います:

  1. ECU(電子制御ユニット)やハイブリッド制御システムの起動
    • システムを「READY」状態にするために必要。
    • このとき補器バッテリーが電力を供給しないと、車は動かない。
  2. 電装品の駆動
    • ドアロック、スマートキー、照明、オーディオ、メーターなど。
    • 駆動用バッテリーが動作していないとき(エンジンOFF時など)はすべて補器バッテリーで賄う。
  3. ブレーキ制御系への電力供給 
    • ハイブリッド車は回生ブレーキ制御が複雑なため、電源が切れるとブレーキアシストが効かなくなる。
    • そのため補器バッテリーは非常に重要な安全要素。

特にEBD(「電子制御制動力配分システム」(Electronic Brake force Distribution))が動作不可となるのは非常に危険です。

EBD:乗員の数や荷物の量など走行状況に応じて、前後の車輪にかかるブレーキの力を電子制御で最適に配分するシステム。これにより、急ブレーキ時でもタイヤがロックするのを防ぎ、多人数乗車時と一人乗車時で停止距離の差を小さくして、ブレーキング時の安定性を高める。

充電の仕組み

ガソリン車はオルタネーター(発電機)で充電しますが、ハイブリッド車は以下のように違います。

  • 補器バッテリーは高電圧バッテリー経由で充電される。
    駆動用バッテリー → DC-DCコンバーター → 12V系統

この「DC-DCコンバーター」がオルタネーターの代わりです。

つまり、エンジンが止まっていても、ハイブリッドシステムが作動していれば充電できるのが特徴です。

注意点・トラブル例

1. バッテリー上がり

  • 駆動用バッテリーとは別に、補器バッテリーも放電します
  • しばらく乗らない(1〜2週間放置など)と、システムが起動できなくなる(READYにならない)
  • 対策:
    • 定期的にREADY状態にして15〜20分ほど放置(充電される)。
    • または12Vメンテナンス充電器を使用。

2. ジャンプスタート時の注意

  • ハイブリッド車でも「ブースターケーブル」で始動は可能ですが、接続方法が車種ごとに異なる。
  • トランク内や専用端子から行う場合もあるため、必ず取扱説明書を確認
  • 間違えると高電圧系統を損傷するおそれがある。

3. バッテリーの種類

  • 多くのHVは密閉型(AGMタイプ)鉛バッテリーを使用。
    • トランクなど密閉空間に置かれるため、ガス排出チューブ付き。
  • 通常の開放型鉛バッテリーでは代用できないことが多い。

寿命と交換目安

  • 一般的に 3〜5年 が寿命。
  • 放電を繰り返すと劣化が早まる。
  • 交換費用は 2〜4万円程度(車種・バッテリータイプによる)。
  • ハイブリッド車では「READYにならない」「ドアロックが効かない」などの症状が出たら、補器バッテリーの劣化を疑う。

私のクラウンは6年目、補器バッテリーの寿命を迎えているみたい

ジャンプスターターで危機を脱する

冬場に乗る機会が少ないGR86のバッテリーが上がってしまい、その時に買っていたジャンプスターターがあります。

ハイブリッド車の補器バッテリーが上がっても、ジャンプスターターがあればシステムを始動させることができます。

大きなモバイルバッテリーのような外観
ヒューズボックス
ヒューズボックス内の救援用端子
赤いカバーを開け、黒い端子に赤(+)のクリップ
エンジンの非塗装部に黒(ー)のクリップ
インジケーターを確認し、エンジンスタート

上記の手順で無事にシステムをスタートさせることができました。

補器バッテリーの交換は必須

ハイブリッド車の補器バッテリーは車を動かす中核部品としてとても重要です。

項目内容
主な役割電装品・制御系への電力供給
駆動用バッテリーとの違い12V・低電圧で始動補助専用
充電方法高電圧バッテリー→DC-DCコンバーター経由
主なトラブル放電による始動不可
対策定期的にREADY状態にする/メンテナンス充電器使用

多くのHVは密閉型(AGMタイプ)鉛バッテリーを使用しており、トランクなど密閉空間に置かれるため、ガス排出チューブが付いています。

通常の開放型鉛バッテリーでは代用できないことが多いのです。

そのため、補器バッテリーは一般的なバッテリーより高額となりますが、私のようにジャンプスターターでシステムを始動するような状況はもはや待ったなしといえるでしょう。

本稿の結びとなりますが、ジャンプスターターは一家に一台、非常時にあって良かったといえるアイテムです。

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