公認心理師試験 Gルートの大変さをちょっとだけ教えます

第3回公認心理師試験に合格することができた旦那。

Gルート(現任者ルート)での受験でしたが、それなりに苦労があったようです。

Gルートのチャンスはあと1回を残すのみ

2021年度に現任者講習を受講していない場合は、Gルートにおける最終 第5回試験を受けられないのでお気を付けください。


参考
令和3年度開催公認心理師現任者講習会厚生労働省

特例措置がなくなり次第、受験資格を得ることすら難しい国家資格 となります。

  •  心理学関係の大学卒業+実務経験2年以上または大学院修了が必要
  •  必要な心理実習時間がトータルで530時間以上と多いため、通信課程の大学院では受験資格が満たせない

上の要件のため、特例措置後は現任者が公認心理師の資格を取ることはほぼ不可能になるでしょう。

さて、Gルートの合格率は第3回試験で50%、第4回試験で55.7%、Gルート受験者数の半分は落ちてしまう試験であることから狭き門であることは確かです。

令和5年からは特例措置が無くなるためにGルートが消滅し、新たな受験者層(A・B・Cルート)による試験が始まります。

ここで、Gルートが受験者数にどれだけの割合を占めているのかを見てみましょう。

第4回試験の受験者内訳は以下のとおりです。

総受験者数のおよそ86%、合格者のおよそ82%がGルートで締めていることが分かります。

第5回試験は最後ゆえ、駆け込み受験者が増えることも予想されます。

Gルートがなくなり、A、Bルートが加わる第6回試験からの受験者動態は、大いに興味があるところです。


参考
今後の公認心理師試験のスケジュール(予定)厚生労働省


参考
公認心理師の資格取得方法日本心理研修センター


参考
受験資格・仕事内容・現任者講習・臨床心理士との違いなどなるほど ジョブメドレー

公認心理師試験は第5回終了を境に、試験の難易度や配点が変わるかもしれません。

Gルート受験って実際のところどうなの?

ここで、Gルートの人にとって合格は簡単なのか?という疑問を考察してみましょう。

実は、色々と大変なことが多いのです。

  • 現任者は、職業に就きながら受験を試みる人達が大半である
  • 勉強に当てられる時間は、学生に比べて極端に少ない
  • 仕事に追われ、疲れて家に帰り、それから公認心理師の勉強…このルーチンは本当にきつい
  • 仕事のストレスで心身ともにぐったりして、勉強できない日も多い
  • 無理せずに頑張るのではなく、無理して頑張ることが必要
  • コロナ禍など、世の情勢によってこれまで経験したことのない状況での判断に疲れた中での試験勉強(判断するということはとても疲れる行為)
  • 学生の頃とは比べ物にならないほど記憶力が低下している自分に驚き失望する
  • 前に勉強したことをかなりの頻度で忘れている現実に、何度挫折しそうになる
  • 口頭試問や小論文、これまでの実績等を勘案する試験に馴染んでいる者にとって、解答の正誤のみによって判定され、現時点での知識・理解のみで戦わなくてはならない試験はこの上なく厳しい
  • 様々なスケジュールのため、毎日勉強を続けることができない
  • 集中力が持続しない
  • 焦りがあきらめに変わる瞬間が怖い

勉強時間を如何に生み出すのか、効率よく知識を定着させるには、ということがGルート受験者には特に大切な視点となります。

Gルートに批判的な意見も

ネット上には様々な意見があります。

  • Gルート合格者で公認心理師法第2条1〜3にある、「心理業務」を5年以上やっていたと胸を張って答えられる現任者は一体どのくらいいるのか。
  • 心理職として同じ水準の実務が提供できますというGルート有資格者は何人いるのか。
  • 心理の臨床を志す人のための、国民のこころの健康のための資格なのに、箔付けや劣等感の補償に使われている。

心理職として同じ苦労や経験がない人たちがGルートとして受験資格を有し、合格している。心理業務を行うに耐えうるポテンシャルがないのに、公認心理師として資格が認められているのは疑問、という意見が多いようです。

ここで、他の資格試験を考えてみます。

司法試験は法学部出身であったり、法律関係の実務があるかどうかは問われません。

誰でも受験資格さえ満たせば受験が可能で、見事合格すれば法曹(裁判官、検察官、弁護士)になれます。

司法修習を受けずに公務員や政治家になる人もいます。

国が定めた法の枠内で受験資格を取得し合格すれば、その有資格者となる。

資格試験とはそういうものです。

資格だけ取って心理業務を行わない人がいても当たり前。

志ある方は研鑽を積み、国民のこころの健康のために有資格者として一人でも支援できるよう努力する。

資格を得てからどのように考え生きるかは人それぞれ、ということ。

苦労は報われる

  • 50半ばを過ぎての国家資格挑戦はすごいと周りの人から驚かれました。
  • 資格が増えることは自信となり、自己肯定感の高まりを感じられます。
  • 人生に新たなオプションを加えることができます。
  • 登録が完了し公認心理師となれば、カウンセリングやコンサルテーションを国家資格に基づいて行うことができます。
  • 資格試験合格後から更に勉強に励まなければなりませんが、試験の重圧がない勉強は楽しささえ感じられます。

私の場合は、名刺に「公認心理師」と入れたい、という願いもモチベーションを高めてくれました。

皆さんは何でモチベーションを高めますか?

Gルートの挑戦は残すところ、あと1回となりました。

第4回試験を受験された皆さん、お疲れさまでした!

第5回試験に挑戦される皆さん、頑張ってください!

第4回公認心理師試験が終わりました 受験された皆さん 本当にお疲れさまでした!