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国内生産450台の激レアな車に試乗した

ディーラーにマークX GRMNがあった

2025年3月22日、クラウンの12ヶ月点検のため、MTG 宮城トヨタさんを訪れました。

相変わらず丁寧な接客で、気持ちよく席に案内され、来店ドリンクのサービスもいつも通り。

アイスカフェオレと謎の飴サービス(ガラスのツボに入っている)、そして評価アンケートの依頼があり、それに答えている途中に担当のHさんが登場。

「○○さん、おはようございます。ご無沙汰しています」

と軽い挨拶を済ませ、世間話。

互いの近況やGR86の話題を筆頭に車関連について話をしていたところ、

「実はマークXのGRMNがあるんです。試乗しませんか?激レアですよ」

マークX GRMNといったら、国内に450台しかない超激レア車。

車好き垂涎の一台で、試乗しない理由が見当たらない。

「ええっ!いいんですか???」

「特別展示ということでうちに来ていますが、○○さんですから特別に」

すでに生産中止となったマークXだが、専用加飾によってとても精悍な顔つき

セールストークではあると思われるが、GRMNに乗れる嬉しさが勝り、笑顔が止まらない。

どのモデルでもGRブランドの中で最も尖った性能であるGRMNにお目にかかれるのはとてもレアな体験だ。

マークX GRMNとは

トヨタの「マークX GRMN」は、スポーツセダンとして特別な魅力を持つ限定モデル。この車は、トヨタのGAZOO Racingが手掛け、2015年、2019年に限定販売された。

マークXのメーカーチューンドカーであるGRMNは2015年に100台、2019年に350台のみ生産されたいわば幻の車。

カーボンルーフによる白と黒のコントラストがスポーティな雰囲気を醸し出している

デザイン

  • ベース車両である「350RDS」をベースに、専用のチューニングが施されている
  • エクステリアは、専用のフロントバンパー、サイドスカート、リアスポイラーなどが装備され、スポーティな印象を高めている
  • インテリアは、専用のスポーツシートやステアリングホイールなどが採用され、ドライバーの操作性を向上させている

性能

  • エンジンは、3.5L V6エンジン「2GR-FSE」を搭載し、最高出力318ps、最大トルク38.7kgmを発揮
  • トランスミッションは、専用の6速マニュアルトランスミッションが採用され、FR駆動方式と相まって、ダイレクトでスポーティな走行性能を実現
  • サスペンションは、専用のチューニングが施され、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を両立
  • 専用のブレーキやタイヤ、19インチホイール(BBS)などが装備され、高い走行性能を支えている

市場の評価

市場の評価:

  • マークX GRMNは、その高い走行性能と希少性から、中古車市場でも高い人気を誇っている
  • 特に、6速マニュアルトランスミッションを搭載したFRセダンという希少性から、スポーツ走行を好むドライバーから高い評価を得ている
  • 最終モデルであること、限定350台、GRMNというブランドから、高値で取引がされている(定価は513万円)

主な特徴

  • 専用の6速マニュアルトランスミッション
  • 専用チューニングのサスペンション
  • 専用のエクステリアパーツ
  • 専用のインテリアパーツ
控えめなトランクスポイラーとスモーク色のテールランプにより精悍さを増している

主なスペック

  • 全長×全幅×全高:4795×1795×1420mm
  • エンジン:3.5L V6
  • 最高出力:318ps
  • 最大トルク:38.7kgm
  • トランスミッション:6速MT
  • 駆動方式:FR

試乗した感想とクラウンやGR86との比較

何せ14年ぶりにMTを運転するのだから、エンストの恐怖が頭の中にこだまする。

専用の6MTはショートストロークではなく、しかもスコスコ入るようなものではなく、どちらかと言うとしっとりと落ち着きのある大人なシフトフィールを感じさせる。

ストロークは深めだがクラッチは重すぎず軽すぎず、結構扱いやすい。

軽くアクセルを煽ってミートする。

低速トルクも十分にあるエンジンのお陰でするすると車が前に進みだした。

担当さんの好意により、別ルートで高速主体の試乗となった。

やはり名機2GR-FSE

エンジンは前に乗っていた200系クラウンアスリートGRS204と同じ3.5L自然吸気V6の2GR-FSEに専用チューニングを施したもの。

久しぶりのマルチシリンダー、自然吸気ならではの高回転の伸びとサウンドに改めてため息が出る。

このエンジンはトヨタの誇る直噴技術であるD4Sのお陰でトルクもしっかりとついてくるので力強さが全域で体感できる特徴をもっている。

また、トヨタ製のエンジンの中でも官能的な音作りがされており、聴覚でも楽しめる杞憂なエンジンだ。

GR86のFA24もウルトラスムーズで音も素晴らしいが、2GR-FSEのシルキーさは持ち合わせていない。

エンジンの官能性 マークX GRMN 2GR-FSE >> GR86 FA24 >>> 220クラウン2.5HV

ハンドリングや乗り心地に驚く

フロント235、リヤ255という太いタイヤを履いているが轍にハンドルが取られることなく、スムーズなステアリング操作が可能。ロック トゥ ロックはGR86に比べて大きく、86のようなクイックさはない。

フロントタイヤは235/40R19 YOKOHAMA ADVAN Sports 20mmのローダウン設定

昔乗っていたインプレサッサ STi GDB-Cは轍で豪快にハンドルを取られ操作に苦労したものだが、現代の車は何事もないかのように凹凸をクリアしていく。運動性能と快適性を上手くバランスが取れるサスペンションジオメトリーの進化なのだろう。

一般道の荒れた路面であっても乗り心地はとても良い。GRMNの名を冠していると考えると多少拍子抜けである。それほど乗り心地は良い。たしかに固めではあるが、ギャップを超えたときの衝撃の吸収はスムーズで見事であり、GR86の方が数段硬い印象。ファミリーカーとして使っても、同乗者からの文句はまず出ないであろう。

リヤタイヤは255/35R19 YOKOHAMA ADVAN Sports 15mmのローダウン設定

高速道路へのRのきついランプにアクセルを軽く煽って侵入するも、ロールはほぼなし。車重と相まって、まるで磁石でくっついているかのような安定感があり、そのまま加速。2から3速にシフトアップすると、あっという間に法定速度に達する。

GR86もロールなくコーナーをクリアするが、そこからの加速が全く異なる。後ろから蹴っ飛ばされるような加速感はさすが3.5L、2.4LのGR86は比べるべくもない。

一般の道路もそつなくこなせるGRMNだが、主戦場はサーキットということだろう。一般道ではこのパワーは全くの宝の持ち腐れでしかない。あくまでも潜在的なポテンシャルと所有欲を楽しむことしかできないだろう。そう考えると扱える範囲内の高性能であるGR86はベストピックだと改めて思う。

インテリア

マークXには初めて乗ったが、クラウンよりやや小ぶりな印象があった。決して広いとは言えない空間に、ピアノブラック、カーボンといった加飾が施され、スポーティさを強調している。

ちょっとした違和感だったのがステアリング。GR専用の小径細グリップでGR86と同型のものが装備されているため、個人的にはチグハグ感があった。

GR車に使われる小径のステアリングホイールが装備されている 表皮の質感ははGR86のとは若干異なる

センターコンソールはクラウンと比べても幅が小さく、GR86と同程度だ。スイッチ類は物理スイッチのため、クラウンより操作性は格段に良い。

スピード計は280km/hのフルスケール、100km/hが中央より左側にあるのが素敵だ。実はクラウンもそこは同じ。大方の車種では左側にあるのが普通。スポーツモデルの証であると自分では思っている。

小ぶりなメーター類だが視認性は良好 スピード計は280km/hスケール

試乗を終えて

車好きにはたまらない経験だった。

このような車は、以前であればホンダの独壇場であったが、今ではトヨタがそれに変わっている状況。

やはりトップが本当に車(特にモータースポーツ)が好きな会社は、ひと味もふた味も違う。

ユーザーのコアな願いを形にし、具現化に向けて努力してくれる。本当に素晴らしい、ありがとう。

本記事の最後に、動画を紹介します。車の開発にかけるエンジニアの熱い心が分かる動画です。