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痔は生活の質を極端に下げてしまう疾患
元来、下痢体質であった私は下痢の後のうっ血した肛門の違和感に悩まされていました。
胆嚢全摘後にはその下痢が一層ひどくなりましたが、コレバインのお陰で改善され、下痢は解消しましたが、DIYや洗車、散歩などの際に肛門の痛みと苦しさが日毎に増してきました。
- 立った状態で動くと内痔核が脱出して、肛門周辺がうっ血したような腫れ感と重苦しい痛みに悩まされる
- 咳やくしゃみ、排尿の際にも脱出してくる
- 症状が出たら、しばらく安静にしていないと動けない
- 痛みを伴うため、長時間の歩行は無理
ここ数年は、上記のような不快感がストレスになり生活の質(QOL)が低下していました。
軟膏や座薬、静脈血管叢エキスも試してみましたが、私の場合はほとんど効果がありませんでした。
そもそも、内痔核は痛覚のない箇所にできるので、なぜ痛みが出るのか不思議でなりませんでした。
調べてみると、どうやら私の場合は「嵌頓痔核(かんとんじかく)」に該当するようです。
非常に急激に悪化した内痔核で、脱肛した内痔核が肛門外に飛び出しているため、肛門で痔核が締め付けられてうっ血がさらに悪化して悪循環に陥ったものです。痔核や肛門周辺は非常に大きく腫れ上がってむくんでおり(浮腫)、激しい痛みを伴います。
AIによる概要を引用します。
嵌頓痔核(かんとんじかく)とは、脱出した内痔核が肛門で締め付けられて血栓を形成し、元に戻らなくなった状態です。痔核の急性期で、激しい痛みを伴います。
【症状】
- 肛門が腫れ上がり、むくむ(浮腫)
- 肛門外に脱出したままの状態になる
- 嵌頓部分からは出血したり分泌液が出て下着を汚すようになる
【治療】
- 痛み止めや、軟膏、坐薬を使用する
- 入浴や坐浴で循環を改善させて腫れが引くのを待つ
- 抗炎症薬、消炎酵素薬、消炎鎮痛薬を内服する
【経過】
- 腫れがなくなっても再び脱出する可能性があるため、いずれは根治術が必要となる
- 長引けば組織の壊死や感染も加わり、治療にはより長い時間とコストがかかることになります
【受診】
- 症状は激しいので、医師を受診し治療を受けたほうがよいでしょう
- 肛門科を受診しましょう
最近は、症状が悪化して生活や仕事に支障をきたすほどになったので、2025年3月下旬に肛門科の受診を決めました。
肛門科と言うと男でも結構ハードルが高いのです
病院リサーチをする
第1候補は日帰り手術ができる病院、仕事の都合上入院する時間はありません。ネットで予約をして決められた日に行けば日帰りで手術ができるとのこと。
これだな、自宅から1時間のところだし!
決めそうになりましたが、もう少し調べてみると次のような説明をしている病院が目に止まりました。
内痔核と裂肛の大部分は, 投薬に加えて外来での結紮治療など専門的な治療で改善します、手術は必要ありません
なんと手術が必要ないと、まずはこの病院に行って診察を受けることに決めました。
この病院の先生は某有名大学で教授をされていた肛門科専門医とのこと。
診察そして治療
まずは問診、食生活や排便について詳しく聞かれました。
次は診察、診察台の上で体育座りのまま横臥姿勢をとります。ズボンや下着はお尻が見えればよいので、全部脱ぐ必要はありません。
先生がスコープを入れて状況を確かめます。
これは随分と年季が入っていますね。直腸は綺麗です、問題ありません。ではこれから、治療をします。痛みのない治療ですから心配しないでください。
何やらパチンと3箇所に治療を施して終了。痛みは全く無し。時間は5分程度でした。
処置が終わって、先生から説明がありました。
俗に言う「いぼ痔」ですね。
内痔核(いぼ痔):出血、脱出、痛みは脱出、嵌頓して循環障害を起こした場合のみ

痔核とは直腸下部、肛門管の粘膜下にある「anal cushion」と呼ばれる線維性、弾性組織に支持された血管網が、いきみ、力みや支持している線維性、弾性組織が弱くなり肛門外方へ滑り出てきたもの、30歳以上の成人の70%以上に見られる。
痔核を悪化させる要因・・・静脈圧を上昇させる要因・・・排便時のいきみ、力み、便秘、下痢、重いものを運ぶ、長時間の運転、肥満、妊娠、長期間の咳
- Ⅰ度:排便時肛門管の内腔へ膨らむが、脱出はしない
- Ⅱ度:排便時肛門管の外へ脱出するが、自然に元へ戻る
- Ⅲ度:排便時肛門管の外へ脱出し、用手的に元へ戻すまで脱出している
- Ⅳ度:常時肛門管外へ脱出している、用手的に元へ戻すことができない
私の場合はⅡ度とⅢ度の状態だったそうです。
これに対して輪ゴム結紮療法を施していただきました。
内痔核を特殊な輪ゴムで結紮して壊死させ、脱落させる治療法
輪ゴムで根本を縛るだけで傷が生じないので、生活に制限はありません。
その他、食物繊維の多い食品(ケロッグのオールブラン オリジナル推奨)を食べて便量を増やすこと、まれに痛みなどの症状が出る場合があるので痛み止め、腸内環境改善のための乳酸菌製剤の処方についてお話がありました。
予後について
稀に痛みがある人がいます、少量の出血がありますが心配いりません、と先生から説明がありましたが、私がそれに該当していたようです。
- 治療当日:就寝後に頻尿状態、肛門付近の鈍痛あり、ロキソニン服用後消失
- 治療2日目:就寝後に肛門付近の鈍痛激しく、ロキソニン服用後消失
- 治療4日目:続いていた少量の出血が治まる
- 治療5~6日目:排便時の痛み(鈍痛)あり 座位での排尿困難
- 治療7~8日目:排便時の鈍痛は少々あり 排尿困難は解消 表層が白っぽい便
- 治療9日目:排便時の鈍痛は少々あり 便の色は通常に戻る
- 治療10日目~:排便時の痛みは消失 立ち作業時の違和感や痛みが全く無くなる
治療後は、あれだけ悩まされていた痔の症状がなくなり、なんでもっと早く診てもらわなかったんだろうと後悔しました
お悩みを抱えている方は、自身の人生をより良きものにするために、少しでも早く専門医を受診されることをお勧めいたします。
次回の診察はGW明け、その時の様子を追記したいと思います。