車のメンテナンスとして一般的に推奨される「タイヤのローテーション」。
皆さんも「定期的にローテーションをすればタイヤが長持ちする」と聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、果たしてそれはすべてのケースでメリットになるのか、最近考えるようになりました。
そのきっかけは、4月に夏タイヤに交換した際のこと。
コンチネンタルのExtremeContact DWS06 Plusに履き替えてからちょうど3年目を迎えていました。
またもやタイヤがグウォングウォン、ゴロゴロと不快な音や振動が発生するようになりました

今回はタイヤローテーションの是非について考察し、今後の方針を決めたいと思います。
ローテーションの目的とは?
タイヤローテーションの基本的な目的は以下のとおりです。
- 偏摩耗の防止:駆動輪と非駆動輪では負荷のかかり方が違うため、タイヤが均等に減るようにする
- 寿命の均一化:4本すべてのタイヤをバランスよく使い、同時に交換できるようにする(タイヤの寿命が1.2~1.5倍)
- 安全性の向上:均等な摩耗はハンドリングや制動性能の安定にも寄与
確かに理屈としては理にかなっています。
でも、本当に快適になるの?
私はクラウンやGR86といったFR車に乗っており、後輪が駆動するタイプです。
冒頭にも書いたとおり、3回目のローテーションを行った後から、「グォン…」「ゴロゴロ…」といった不快な振動や異音が顕著になりました。
なぜこのような現象が起きるのでしょうか?
タイヤのブロックは“削られ方”が違う
これはタイヤに加わる力の「向き」が影響しています。
- 駆動輪(FRなら後輪):加速の力が加わることで、トレッドブロックの後方(進行方向と逆側)が削れやすい
- 非駆動輪(前輪):制動時の負荷で、ブロックの前方(進行方向側)が削れやすい

つまり、ブロックの“エッジ”の削れ方が前後で逆になるわけ。
この状態でローテーションしてしまうと、今までとは逆方向の摩擦が発生し、接地の感触が変わってしまいます。
その結果、振動や異音が出るというわけです。
ローテーションは「乗り心地」に逆効果か?
このように、ローテーションによってブロックの摩耗方向が変わってしまうと、静粛性や乗り心地が大きく損なわれる可能性があります。
特に次のようなケースでは、ローテーションがかえってデメリットになることも。
- 高速道路の走行が多く、路面変化に敏感な人
- 静粛性・乗り味を重視したタイヤを装着している
- 一定の配置で長期間使い続けたタイヤを急に別の位置に交換した
対策や代替案はあるのか?
調べてみたところ、ローテーションを行う場合でも、以下のような工夫で不快な変化を最小限に抑えることができるという意見が見られました。
- クロスローテーションは避け、前後のみの交換にとどめる
- 5,000〜8,000kmごとの定期ローテーションで摩耗差が小さいうちに入れ替える
- ローテーション後はアライメント調整も検討する
- ブロック摩耗が明らかな場合は、ローテーションをあえてしない
結論:乗り方と優先順位で決める
「走行性能優先」か「経済性優先」など、カーライフスタイルや優先事項によって、ローテーションの是非を決めるのがベストだと思います。
- タイヤの寿命を伸ばすならローテーションは有効
- 静粛性や乗り心地を重視する場合は、必ずしもローテーションがベストとは限らない
- 偏摩耗が発生してからのローテーションは、むしろ不具合を感じやすくなる
① タイヤを再度ローテーションさせ、前年までの配置に戻す
② 快適性と走行性能を優先させ、ローテーションは行わない
タイヤ周りの異常を感じたら、ローテーションが原因かも知れません。
この記事が参考になれば嬉しいです。
皆さん、良いカーライフを!