一番好きな女性歌手といえば 竹内まりや さん
竹内まりや さんの曲は、大学を卒業して就職した頃からよく聴くようになった。
「一家に一枚、竹内まりやのリクエスト」
なんて言われていた名盤「REQUEST」(1987)
山下達郎 氏と結婚し、妊娠・出産、育児の忙しい中でオファーがきて、楽曲の制作であれば赤ちゃんが寝た夜にピアノを弾きながらできる、と思い立って書いた曲は数多くのアーティストに供された。
REQUESTはそれらをセルフカバーした曲が半数を占めるアルバム、珠玉の名曲が詰まっていた。
中でも「OH NO, OH YES!」「時空の旅人」が好きだった。
とても忙しかったあの頃、繰り返し聞いた曲
とても忙しかった40から50台前半。
新しい職種と責任、人間関係…夜遅く家路へと向かう車の中で、繰り返す悔し涙と絶叫…
落ち込む暇もなく仕事に明け暮れていた日々。
そんな自分を癒やしてくれたのが 「Quiet Life」(1992)のアルバムのタイトルトラックで、このアルバムのために書き下ろした「Quiet Life」という曲。
都会の喧騒の中で静かな生活を求める心情を描いており、竹内まりやさんの繊細な表現力が光る一曲。
このアルバムが世に出てからすでに13年が過ぎようとした頃、歌詞に共感してよく聞くようになった。
この都会(まち)に生きる難しさを 君はふと思う
…
他の誰とも違う 君らしい生き方見つけて
…
All you need is quiet ,quiet life(必要なのは静かな生活)
日が暮れかかる街、オレンジ色に染まった風景の中、様々な思いを胸に街並みに消えていく人…
そんな情景を自分の境遇と重ね合わせて聴いていたのが懐かしい。
退職して第二の人生を歩み始めた。
同期の人間がほぼ定年延長や再就職する中、あえて選ばず、これまでやりたくてもできなかったことに贅沢に時間をかけられる幸せを噛み締めている。
細かなことに気を遣い、人間関係に悩み、背中から撃たれ…そんな艱難辛苦ももはや無い。
伴侶が「仕事辞めて、一抹の寂しさはないの」と問いかける。
これっぽっちもない。
僕に必要なのは静かな生活なんだよ…
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