なかなか治らない下痢に悩んでいたうちの旦那。その原因追求と劇的な改善までの顛末記です。下痢に悩む方々の一助になれば幸いです。
思春期 お腹がゴロゴロ、そして下痢…
私は高校生の頃から、緊張するとお腹が張ってきて、ガスがゴロゴロと音を立てて困っていました。当時は原因もわからず、試験の時とかはいつも憂鬱でした。
後ろに人がいるだけで、「お腹の音が聞かれたらどうしよう」と不安になり、それがきっかけとなってお腹がゴロゴロと鳴り始める始末。あ~、恥ずかしい!
社会人 会議恐怖症…
仕事についてからはもっとひどくなり、トイレで「このお腹を切り裂いてやりたい!」と思ったこともありました。
ある胃腸の専門医院に行ったのですが、先生に「気にしなければいいんじゃない。腹が鳴っても知らんぷりすればいいさ。とりあえず、薬は出すからね」と言われ、『ポリフル細粒』(腸の中の水分を調整するらしい)を処方されました。
しかし、全く効きません。会議の時間が迫ると、ガスが溜まるのが分かり、トイレに駆け込むことに。こんなことに、いつもイライラ不安を覚えていました。
いろいろ調べてみて、自分は『過敏性腸症候群』と確信しました。会議の前には様々な下痢止めを飲んでみましたが、全く効果なし。
※過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)
さらなる恐怖…
胆嚢ポリープが健康診断で見つかり、十数年経過観察をしていました。すると、ポリープの大きさが1cmを超えてしまいました。
先生が「1cmを超えると、癌化の可能性が高まるから取ったほうがいいよ」と話されたので、意を決して腹腔鏡手術による胆嚢全摘をすることにしました。
手術は無事に終わり、後遺症も殆どないと言われました。6日間の入院で、無事に社会復帰しました。しかし、この手術が最悪の結果を招くことになったのです。
- 食事後、1時間で猛烈な便意に襲われる。水様便の激しい下痢。
- 数回トイレに駆け込むこともあり。
- 排便後は、腹痛が持続することはない。
そして、薬難民が始まった…
はじめは、過敏性腸症候群が手術をきっかけにひどくなったのかと思い、藁にもすがる思いで病院に行きました。先生に相談したところ、トランコロンとビオフェルミン(整腸剤)を処方してもらいました。
しかし、トランコロンを飲んでも一向に改善しません。そんな中、過敏性腸症候群の特効薬があるとの情報を得て、心が踊りました。その薬の名は『イリボー』、病院の先生にお願いして、処方してもらいました。
これで、「長年悩まされていたお腹の不安から解消される」と心から喜びました。
しかし、全く効きません!
この絶望感といったらありません・・・
後遺症によくあるのは分かっていましたし、私の場合は過敏性腸症候群と思い込んでいたので、下痢はそのせいと考えていました。会議の前に、トランコロン、イリボー、下痢止め(ロペラミド塩酸塩:先生曰く「すごく効く下痢止め」、成分のロペラミド塩酸塩は、腸の過剰な運動や腸の粘膜における水分の吸収・分泌異常を改善して、下痢を抑えるらしい)などの薬を飲んでみましたが、これらの下痢止めは全く効きませんでした。
会議中、何度『人間やめなきゃ』と思ったことか。尿漏れパッドを下着に貼ることもしました。ここまでしなければならないなんて、ほんとに情けなくなりました。自分の心の弱さを恨めしく思ったものです。
こんなことが一生続くなんて、仕事を続けられないかも・・・もう絶望の縁に立たされた思いです。藁にもすがる思いで、ネットや本で必死に調べました。
すると、「胆嚢全摘後に下痢がひどくなる」という記事が目に留まりました。
一筋の光明…
決め手はネットにあった『胆汁は大腸に入ると下剤と同じ作用をする。胆汁を薄め、体外に排出するために、腸内に多量の水分が供給される』という情報でした。
自分は胆嚢を全摘しているし、胆汁が関連している…もしかしてこれかぁ!と直感しました。
本来であれば、胆汁は小腸の末端で回収され、大腸に入ることはほぼないらしいのですが、体質や手術の影響で大腸に入り込んでしまう人がいるそうです。
『胆汁性下痢』…初めて知りました。
※胆汁性下痢(Bile Acid Malabsorption: BAM)
胆汁性下痢の特徴と私の症状
- その日の最初の食事の後、1~2時間後に下痢が起こる。 → ビンゴ!
- 腹部に強い痛みはない。 → ビンゴ!ビンゴ!
- 排便の後は 症状が回復する。 → ビンゴ!ビンゴ!ビンゴ!
- 下痢止めの薬が効かない → ビンゴ!ビンゴ!ビンゴ!ビンゴ!
その胆汁を吸着する薬があるとのことで、その薬の名は『コレバイン』。
コレバインは高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の治療薬で、『陰イオン交換樹脂(レジン)』だそうです。
コレバイン自体は体に吸収されないので副作用は殆どないそうです。それどころか、食品に含まれる脂肪を吸収する効果もあるため「やせ薬」として病院で処方されることもあるとか。
私は、コレステロール値が高いので、もしかしたら処方してもらえるかも、と期待して病院に行きました。
副作用もなく、あれほどひどかった症状がなくなるかもしれないなんて、すごいじゃないですか!
私:「先生、トランコロンもイリボーも効きません。胆汁が下痢の原因かもしれないので、胆汁を吸着する薬を処方してもらえませんか」
先生:「胆汁が原因、そんなことはないと思う。しかし、コレステロール値が高いし、希望があれば処方しましょう」
私:「コレバインミニというのが顆粒で飲みやすいと聞いたので、お願いします」
病院に併設の薬局には在庫がなく、40分ほど待たされました。あまり一般的な薬ではないようです。
人生が変わりました
翌日、運命の日の朝5時30分、期待(きっと効くはず、信じたい!)と不安(これが効かなかったらどうしよう?)の中、コップ一杯の水でコレバインミニを服用しました。私は、朝食は青汁だけの生活を送っていますので、午前中はいつもと変わらない生活。さて、問題は昼食後です。何を食べてもきっちり1時間後に突然の猛烈な下痢に襲われていました。
しかし、いつもの下痢のサイン、ガスのゴロゴロが起きない、腹痛も起きない、おしりに変な汗をかかない。
んっ???なんともないぞ!?もしかして効いてるの?コレバイン、効いてるのかぁ!?
その後、2時間たっても3時間たっても、夕食をとっても腹痛どころか下痢などナッシング!おなかのことは何にも考えないで生活できました!!!私の場合は、1日1包で十分に効いたようです。
過敏性腸症候群はストレスが大きな影響を与えていると言われていますから、自分はストレスに弱い人間なのか…と自己暗示をかけてしまっていたのですが、蓋を開けてみれば体質的に胆汁が大腸に入り込みやすく、さらに手術の影響で胆汁の影響が最大限大きくなってしまったということのようです。
一日に2回の服用のようですが、私の場合は朝に1回で済むので、30日分処方されたコレバインはなんと60日間私を救ってくれることになります。あまりにうれしいので、病院の先生にさっそくお礼を言いに行きました。
私:「コレバイン、効きました。完全に効いています。長年悩まされていた病気に開放されました。私にとって奇跡の薬です。本当にありがとうございました」
先生:「あれから、自分でも調べてみたんだが、あなたのような症状の原因に胆汁が関係していることがあるようだね。とにかく、よかった」
コレバイン、本当にありがとう!
コレバインが効かないケース
コレバインが効かないケースです。私の場合は一つだけ。
- コレバインを服用してから、1時間以内に食事をした場合
コレバインは水分によって膨らみ、その後、胆汁を吸着する(らしい)ので、十分に膨らまないうちに食事をすると、胆汁の吸着が間に合わなくなる模様。上記の場合、確実にあの下痢が襲来します。休日など、お腹の中をスッキリさせたいときは、コレバインをわざと飲まないようにしています。
あれだけ下痢に苦しまされたのに、それを逆手に取れるなんて夢のようです。
副作用(らしきもの)
- 便秘気味になることがある
私にとって、こんなのは副作用でも何でもありません。あのひどい下痢に比べたら…。私のQOLはコレバインのお陰で間違いなく高まりました。会議や打ち合わせがあろうがストレスのかかる発表等があろうが、服用以来、下痢に悩まされたことはありません。
コレバインさえ飲んでいれば、お腹を気にした生活を送らなくてもよくなりました。
だだし、「医師の指導の下に」これだけは厳守です!
【奇跡の薬】 下痢が劇的に改善 コレバイン を飲んで約1年が経ちました